越智泰彦のレッスン

越智泰彦

越智泰彦

Yasuhiko Ochi

10代後半より、国内外のミュージシャン、ダンサーのサポート、レコ―ディング、ツアーに参加。

また、ブラジル、キューバ等での経験もふまえ、踊れる音にこだわり現在指導を行なっている。

〈カリキュラム〉

リズム・トレーニング

  • 講師:越智泰彦
  • 形式:通学、リモート
    年間22回(木曜日、月2回レッスン、1月、8月のみ1回レッスンとなります
  • 場所:三宿スタジオ
  • 対象:初心者、全楽器奏者、歌手、アレンジャーなどすべて
  • 受講条件:特になし
  • 期間:一年(受講者により不定)そのままラテン・ベース科に接続することも可

リズム・トレーニング科について  越智泰彦

 リズム・トレーニングというと記譜されたリズムを手足、楽器を使って具体化する訓練と考えられるかも知れません。これはパウル・ヒンデミットの『音楽家の基礎練習』で典型的に示された訓練法で実際に多くの音楽大学で施行されています。このような教程では楽譜表記をパルス(自然時間を均等に区切った点)概念に基づいて、いかに正確に解読し、手足の動き(多くは両手で異なったリズムを演じることを目的とする)に置き換えるかという作業がメイン・テーマとなります。作曲家、指揮者、ピアニスト、打楽器奏者にとって上記の基礎練習が有効であることは言うまでもありません。

 一方、本科で行っているリズム・トレーニングはリズムを運動として考える立場にたっています。静的な(スタティックな)なリズム表記(楽譜)から、どのようにすれば命あるリズムを産み出せるか、という点に重点を置いています。音符に生命を吹き込み、スイングあるいはグルーブを産み出すにはどうすればよいのか、そしてメロディーはそのリズムとどのように関わり合うのかが、主要なテーマとなります。

 楽器を使ってリズムを出すときに、足を動かす場合と、動かさない場合では演奏内容が全く別種のものに感じられます。この点に着目し、本科ではいろいろなステップ(ダンスから発生したもの)を楽器の演奏に導入することにより、色々な種類の感じ方を体験していきます。ステップや体の使い方を積み重ねることにより、生きた音符とはどんなものなのかを考え始めることができるようになり、リズムのイメージを体系化していく端緒を得ることができます。

 ところで水泳を始めるとき、最初に体得しなければならいことは水を信じること、ただ単に水に浮くようにできることです。水を恐がらずに浮くことができずに手足をむやみにばたつかせても、前進することはできません。さらにサーフィンでは波を読み、波のエネルギーを最大限に利用することでなんら機械的なエネルギーを使わずに海上を気持ちよく高速で疾走することができます。これらは音楽におけるリズムの獲得、グルーブの獲得と興味深いアナロジーをなしています。

 まずリズムと身体の関係の自然な状態を把握すること、これが水泳で言えば水に浮くことに相当します。リズムの基本的な把握なしに楽器上で指をやたらと踊らせている姿をよく見かけます。いくら音符を羅列しても基本的なリズム把握なしに音楽的にもリズム的にも推進力を得ることはできません。当人は一所懸命なだけに、それに気づいてすらいないことが多く見るに忍びません。そして、次にリズムを波に例えれば、どこに「乗る」か、が課題となります。それは可能でしょうか?リズムを理解し、その捉え方を学ぶことにより、リズムの波のどこに乗ればよいかを知ることは不可能ではありません。私たちが身につけたいのはこの波に乗るコツであり、これが可能になれば上手なサーファーのようにダイナミックで快感のあるグルーブを得ることができるようになるのです。初心者はもちろんのことリズムについての明確なイメージが欲しい方、楽譜は読めるけれどグルーブあるいはスイングしたという経験がない方、あるいは器楽的なリズム体験を得にくいボーカルの方に特に有効と思われます。

ラテン・ベース

  • 講師:越智泰彦
  • 形式:通学、リモート
    年間22回(木曜日、月2回レッスン、1月、8月のみ1回レッスンとなります
  • 場所:三宿スタジオ
  • 受講条件:特になし
  • 期間:一年以上(受講者の能力と目的よって不定)

概要:

 本講座はラテン・ベースに関する日本で唯一の専門カリキュラムです。アフロ・キューバンとアフロ・ブラジリアンの両方のリズムの特性を分析・習得することによりそれぞれのグルーブの本質をより明確に浮き上がらせる点が本講座の特徴です。またラテン音楽のリズムの内部構造そのものについて詳しく知りたい方、ベース以外の楽器でリズムの専門的知識を得たい方も歓迎します。

ラテン・ベース科の目的  越智泰彦

 音楽の最も重要な課題はリズムをどうとらえるか、ということです。ラテン音楽は楽譜表記で表現不可能なリズム的内実を持っています。例えばこれをグルーブと呼ぶとするとグルーブはどこから生まれるか、という問題になります。それは単にラテン音楽固有の問題ではなく、普遍的なリズム一般に届く問題です。Lung Advanced Curriculumのラテン・ベース科ではリズムの内部構造、リズムと身体との関連の理解から実際の右手の奏法、パーカッションとベースの相対的な関係などを学んでこの問題を解いていきます。内容はアフロ・キューバンのクラーベ、バーリート、カスケーラ、ベル・パターン、ベンベ等、諸リズム型を学び、次にアフロ・ブラジリアンのサンバ、サンバ+ファンク、サンバ・ド・バチード・アルト、バイヨン、バイヨン+ファンク、変拍子等と進みます。本科の特徴は完全個人レッスンで受講者がこれらのリズムを身体的にも器楽的にも修得するところまでもっていく点です。初等科またはアドバンスト科とラテン・ベース科を組み合わせることによって他にはない完璧なカリキュラムを得ることができます。

内容:

リズムの理解(種類と構造の把握・修得)

  • ・アフロ・キューバン、アフロ・ブラジリアンを用いて理解の出発点としていく。
  • ・基本的なグルーブの理解
  • ・いろいろな種類のグルーブの理解修得を通して自分のグルーブを作り出す方法。
  • ・イメージの作り方、表現の仕方の修得。

リズムの内部構造の理解

リズムと自分のからだとの関連のさせかた

右手の奏法

  • ・リズム、パーカッションの理解により、発生してくる奏法、アイデアの修得。
  • ・ミュート(コンガより)
  • ・スリーフィンガー(ブラジル系サウンドとのマッチング)
  • ・スラップ
  • ・ハーモニクス・パーカッションの役割
  • ・タッピング・パーカンションで数人分の役割を表現する
  • ・コード奏法

リズムの平面的な構造把握から立体的な構造把握へ

パーカッションとベースとの位置関係

タッピング・ベース

  • 講師:越智泰彦
  • 形式:通学、リモート
    年間22回(木曜日、月2回レッスン、1月、8月のみ1回レッスンとなります
  • 場所:三宿スタジオ
  • 対象:ベーシスト
  • 受講条件:特になし
  • 期間:受講者により不定

Tapping 現代ベース奏法の新しい可能性/越智泰彦

【tappingとは何か】

tapとは、コツコツとたたくことを意味し、tappingとは、特にギターやベースで右手と左手の双方で弦を指板上で叩くことによって和音を出したり、右手と左手を組み合わせてピッキングやピチカートではできない和声およびリズム表現を行う奏法を指します。

【ベースでのtapping】

さて、ギターではすでになじみの深いtapping奏法にはさほどの多様性はありません。おそらくベースの音域がギターよりもtappingに適していることによると思われますが、ベースでは、極めて多様なバリエーションがあり、なお現在も変化し続けています。現状ではキワモノ的でない、より音楽的なtappingは、まだ少ないのですが、これら生成過程のtapping奏法が新しい音色・音像を生み出す大きな可能性を持っていることは疑いのないところです。

【メロディー・ハーモニー面からのアプローチ】

従来の奏法をすでに修得している人が、tappingを学ぶことによって、新たに得られるものとはなんでしょうか。それは「指板上の地図」、つまり指板の認識の程度が、新たな次元に上昇しうる点です。

【リズム面からのアプローチ】

tappingのトレーニングを重ねることにより、ベーシストにとっては最も重要なリズム面が強化されます。tappingは右手と左手を両手のコンビネーションによって行いますので、通常のピッキングでは得られない、立体的なリズムを構成できます。その結果、強靱なリズム感が養成され得るのです。

【奏法の改善~右手・左手・指・身体全体の見直し】

tappingでは筋肉を充分に脱力し、関節を自由にしておかなければできません。このことは、tappingのみならず既得の技術をより高度に発展させうる新たな視点を獲得することを意味します。

 

tappingという可能性のある技術を、切実な課題として、本当の音楽に向かう力になるものと確信し、この講座をスタートしたいと思います。

〈料金表〉

※毎月2回。1月と8月のみ各1回。年間計22回のレッスンです。

料金表

入会金
(初回時のみ)
20,000円+税
月 謝 17,000円+税
6ヶ月一括払い 97,750円+税
(4,250円割引)
12ヶ月一括払い 204,000円+税
(17,000円割引)

〈レッスンに関するお問い合わせ先〉

スタジオラング

〒158-0082
東京都世田谷区等々力 7-27-6

TEL & FAX  

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